はじめに
「オートフィル」を利用して関数を他の行にコピーする際、「うまく計算できない…?」と思ったことはありませんか?
それ、相対参照と絶対参照の違いが関係しています!
今回は、「$(ドルマーク)」の意味をわかりやすく解説します。
1. セル参照の基本:「どこを見るか」を指定している
関数内の「A1」や「B2」は、実は「セル内のデータを見ている」という状態です。
つまり、「このセルを見てね!」とスプレッドシートに教えているわけです。
参照には2つの種類があります:
- 相対参照:自動でズレてくれる(例:A2*B2,A3*B3…..)

- 絶対参照:固定されてズレない(例:$A$2*$B$2…..$A$2*$B$2)

2. 相対参照:コピーに合わせてズレてくれる
例:
=A2*B2
これをC2セルに書いたとして、下にコピーすると、A3*B3、A4*B4…と自動的に行番号がズレていきます。

これが相対参照。基本的にはこれがデフォルトです。
3. 絶対参照:コピーしても固定される
例:
=$A$2*$B$2
これをC2セルに書いたとして、下にコピーすると他の行にも同様に$A$2*$B$2が適用されています。

これが絶対参照。
ショートカットは「A2」を入力したのちF4を一回押すことで絶対参照になる。
4. 複合参照:行だけ固定、列だけ固定もできる
列は固定、行は変わる
例:
=$A2*$B$2
これをC2セルに書いたとして、下にコピーすると$A3*$B$2、$A4*$B$2…とA列の行が変わっている。

列は変わる、行は固定
例:
=A$2*$B$2
これをC2セルに書いたとして、右にコピーするとB$2*$B$2、C$2*$B$2…と2行目の列が変わっている。

ちょっと応用ですが、複雑な表や、掛け算の表(九九表のようなもの)を作るときに便利です。
5. よくある使いどころ:単価×数量+税率
絶対参照の使いどころとして代表的な例が税率を扱う際に役立ちます!
例:
B2+(B2*$E$2)
この式を他の行にコピーしたい場合、$E$2 と書いておけば、どこにコピーしても常にE2の税率を参照できます。
▼税率のセルを固定「$E$2」

▼下方向にコピーしても税率を入力したセルだけは固定して計算される

まとめ
「$」がつくと、なんだか難しそう…と思っていた方も、
意味がわかるととても便利に使えます!
相対参照と絶対参照を理解すれば、表計算の幅がぐっと広がりますよ。
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